現在のドローンの動力源の主流は、リチウムポリマー電池が中心になっています。
重量とサイズ面の観点から見れば、リポバッテリーは非常に良い燃料ではあります。
しかしながら、最も注目されているであろうドローンによる配送をするには、飛行時間が課題となります。
今回は、飛行時間の長い動力源について、最新のものも含め調べてみました。
リポバッテリーに関しては以下の記事にて紹介しておりますので、ぜひご一読ください!
ドローンのバッテリーってどんなもの?リポバッテリーについて紹介します!
バッテリーの種類
水素燃料電池
まず初めに紹介するのは、水素燃料電池を動力としたものです。
イギリスの複数企業が共同で進める「Project Rachel」では、6リットルのシリンダーに水素燃料を搭載したドローンを試作しています。
現在主流のリポバッテリーでは、ドローンに5kg積載した場合、10分から20分ほどの飛行時間になりますが、水素燃料電池を使用した今回の試作機では70分以上の連続飛行を記録しています。
水素燃料を利用するメリットとしては、航続距離の他に、補充が容易であることや、クリーンエネルギーであることなどが挙げられます。
デメリットとしては、燃料である水素そのものの貯蔵や輸送に高いコストがかかること、また墜落時などの危険性もあります。
開発が進み、実用化されれば非常に便利ではありますが、燃料電池車の普及が進んでいないことを見ても、導入するのにはなかなか先は長そうです。
ソーラーパネル
次に紹介するのは、動力を供給したまま飛行できるようになる、ソーラーパネルです。
太陽光を電力に変換するため、晴れていれば動力を供給し続けたまま飛行することができます。
実際に国立台湾大学のSolarDroneは、正方形のソーラーパネルを5枚組み合わせた試作機を開発しています。
この試作機には、ただソーラーパネルを貼り付けるのではなく、オプトエレクトロニクスなどの様々な領域の技術が使用されています。
また、パネルを上部に設置すると風の影響を受けやすいため、飛行システムの設計にも非常に注力しています。
シンガポール大学でも同じような取り組みがされており、そちらの太陽電池なら、晴れている間は何時間でも飛行することができるようです。
ソーラー電池のメリットとしては、環境に良いことや技術力によっては非常に長く飛行できることなどです。
デメリットは、パネルそのものの価格と、天候によってはほとんど飛ばせないという点です。
曇り空の日や夕方以降に飛行する場合に使い物にならないのであれば、そこは大きな課題となります。
ガソリン
最後にご紹介するのは、身近で非常に馴染みのあるガソリンです。
元々農薬散布用のヘリコプターなどには使用されており、ドローンにも転用されています。
実際に、アメリカのマサチューセッツ工科大学のチームが、設計上は一回の給油で5日間飛び続けるドローンを開発しています。
また、株式会社石川エナジーリサーチでは、ガソリンを使用したドローンも開発されています。
エンジンとモーターとのハイブリッド式にすることで、1時間以上の飛行も可能にしています。
ガソリンを動力とする場合のメリットとして、長時間の飛行が可能であること、燃料を入手しやすいことなどがあります。
デメリットは、墜落した際のリスクが非常に大きいことや、環境への負荷が多少なりともかかるという点です。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
今回は、ドローンにおけるリポバッテリー以外の駆動源について調べてみました。
水素燃料やソーラーパネルなど、長時間飛行に向けての研究開発は進んでいますが、実用の目処が立つのはまだ先になりそうです。
ドローンを使用する目的によって、動力源を変えるのが良さそうです。